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2017.12.18

『ツインピークス:ファイナル・ドシエ』ナナメ読み(7):Ben Horne's chief regret remains the sale of the family's section of the Ghostwood Forest.

ちょっとあいだが開いてしまいました。ファイルは「ベンとオードリー・ホーン」の続き。オードリーの父ベンジャミンについて触れられます。
『ファイナル・ドシエ(ドキュメント)』の日本語版が出るのが12月22日。それまでに1、2回は更新できるかなー。


ベン・ホーンは時間の大部分をグレート・ノーザン・ホテルで過ごしている。プライベートスイートもあるけれど、たいていはオフィスで眠っている。いまだにベンはさまざまなビジネスに積極的だが、ゴーストウッドの森の私有地を売却してからは、より倫理的な投資と買収をおこなうようになった。

そのゴーストウッドの森では、根深いトラブルを抱えたままだ。売却した土地に何が建てられたかというと、なんと刑務所。2001年にオープンした。しかもこの刑務所は中西部の保守的な投資家による合弁企業で、ペーパーカンパニーらしい。いってみれば所有者不明のもの(んー我ながらひどい訳だ)。

ゴーストウッド・コレクショナル・ファシリティ(矯正施設)は、この森のなかで最も醜いものであると広く考えられている。ベン自身も、「この土地を荒廃させるもの(blight。一瞬brightと間違えた)だ」とか公の場で何度も発言しているらしい。

刑務所は、パッカード製材所の閉鎖により職を失った多くの労働者に雇用の機会を生み出したものの、その待遇はひどいものだった。労働組合の結成の認定も拒否、高圧的な姿勢で黙らせた。

それだけでなく、この刑務所の出現と同時に、地元コミュニティにて医療問題が急増した。アル中、うつ病、麻薬の依存・濫用、密輸にDV、そして自殺と、負のオンパレード。これらの問題に接している大部分は、刑務所の労働者とその家族なのだという。

タミーはこの刑務所について興味深い点を指摘している。初代所長の名前は、ドワイト・マーフィーなのだ。「The Return」ではバックホーンの刑務所の所長として登場した人物だ。彼はクーパーに脅迫され、最終的に殺されてしまったけど、もしかするとツインピークスの刑務所関連での脅迫なのかもしれない。


ベン・ホーンは、タミーのインタビューに意外にも応じてくれた。その様子は、すっかり老け込んで痛ましく、多くの失敗への後悔でいっぱいだった。ベンは、自分の家族が受けたダメージに対してすべての責任を負いたいと考えている(ちょっと遅い気がするけど)。そして、ベン最大の後悔は、ゴーストウッドの森の一族の土地を売り払ってしまったことだ。

タミーは、ゴーストウッドの刑務所は、ブルーパインマウンテンの原生林を汚すものだけでなく、従業員の待遇や受刑者の虐待など、全国の私立刑務所としてもかなり低い水準にあることを指摘する。さらに親会社と警察との共謀の噂もささやかれている(ツインピークスの保安官事務所ではない)。「刑務所の顧客人口」とよばれるものを増やすために逮捕率を上げ、比較的軽微な犯罪についての有罪判決を強化しているのではないか、という噂もあり、タミーも調査している。


マーフィーが脅迫されていた理由は劇中では明かされなかったけど、警察と刑務所との癒着かな?
ベンの後悔の日々は、いささか遅すぎたのではないだろうか。ベンが原因でヘイワード家が離散し、娘オードリーの挫折にも大きく影響を与えました。

ツインピークスの森に矯正施設(刑務所)ができたということを知ると、「The Return」でオードリーが夫(?)チャーリーに言ったセリフ「助けてチャーリー、ここはまるでゴーストウッドよ」は、また別の意味をもってきそうです。刑務所が決して悪いとは言わないけど、森が病んで人びとも病んでしまったような印象です。


次のファイルはベンの弟「ジェリー・ホーン」なのですが、興味がわかないのですっ飛ばして、「ダブルアール」のファイルに進みます。ノーマやアニー周辺のややこしい関係について書かれています。

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