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2017.11.24

『ツインピークス:ファイナル・ドシエ』ナナメ読み(3):”Something untoward happened in the Hayward household.”

ジョンソン家を離れ、次は「ホーン家とヘイワード家」というファイル。

タミーは、旧シリーズ最終話のヘイワード家で起こったことに関心をもち、情報の切れ端を集めて筋道が通るように整理しようとした。

最終話(1989年3月28日)に起こったことといえば、
◯朝、ツインピークス貯蓄貸付組合(銀行)で爆発:オードリー・ホーンが重傷、ピート・マーテル、アンドリュー・パッカード、デルバート・ミブラーが死亡
 →『シークレット・ヒストリー』に新聞記事あり。
◯夜、ヘイワード家にて、ベン・ホーンが医師ウィル・ヘイワード先生に頭をかち割られる。出生の秘密が明かされた娘のドナ・ヘイワードがシリーズ最後の号泣。

2017/12/01追記
旧シリーズ最終話を久しぶりに見たところ、上の2シーンの順番が逆のようですね。ベン・ホーンがヘイワード家を尋ねたのは、銀行爆破の前夜、すなわちミス・ツインピークスコンテストが開かれた夜となってました。『ファイナル・ドシエ』で整合性がとられたのか、それとも誤訳しているのか……。

◯夜、デイル・クーパーとアニー・ブラックバーンの失踪と翌朝の帰還。クーパーがドッペンゲンガーに乗っ取られる

などなど、まるで続編は作りませんとでも言いたげなカタルシスのある展開が立て続けに起こった。これらにはヘイワード先生が関わっている。タミーは調査の結果、9つの気になる点(curiosities)があるという。


1.オードリーが搬送されたキャルフーン記念病院には、父親のベン・ホーンも頭部重傷で治療を受けていた
銀行の爆発はその日の朝に起こった。ベンはオードリーのベッドのそばにいたが、日が暮れてからベンは病院を出て、一時間もしないうちに今度は患者として戻ってきた。

2.負傷したベン・ホーンを病院に連れて行ったのはヘイワード先生
ヘイワード先生のレポートによると、ベンは娘オードリーの回復についての相談に家に来た。その後、急に酒をあおったベンは足を滑らせ、花崗岩でできた暖炉に頭をぶつけた、ということらしい……。視聴者が知っている事実と異なりますね。

3.タミーが見ることのできたベンの医療記録はヘイワード先生によるもの
記録は簡易かつ大雑把なもので、おそらく行われていたであろうX線の記録もない。ベンはグレード2の脳しんとうだったそうだけど、その根拠は記されていないそうな。
当時は銀行の爆発事件やクーパーの失踪と帰還が重なり街中が大混乱だったため、疑問には思われなかったらしい。

4.次の日、ヘイワード先生はグレート・ノーザン・ホテルで、ゴーストウッドの森から帰還したクーパーを診察した
旧シリーズは、クーパーがバスルームの鏡に自ら頭突きをして流血、鏡の向こうにはキラーボブが映っている……、というところで終幕する。しかし、劇場版の未公開映像集にはその続きがあり、異変に気づいたヘイワード先生、ハリー・トルーマン保安官がバスルームに突入し、クーパーと会話をする。
クーパーによると、歯を磨いていて足を滑らせ、鏡に頭をぶつけたという。クーパーは病院に運ばれ、グレード2の脳しんとうと診断された。このときベンは、弟のジェリーとともにすでに退院していた。

5.クーパーは病院で一晩過ごし、次の日に医療チェックを受けないまま出ていってしまった
ヘイワード先生は、クーパーがブラックスーツを着て、オードリーがいたICUから出ていくところを目撃している…。このことは、「The Return」でフランク・トルーマン保安官とヘイワード先生との会話(まさかのスカイプ)で語られている。

6.それから9ヵ月後、オードリーは息子リチャードを授かる
出生証明書の父親の欄は「不明」って、怖すぎる……。

7.クーパーが消えて2日ほどして、彼に最後に会ったといわれるガーランド・ブリッグス少佐も失踪
ブリッグス少佐はゴーストウッドにあったLPA施設の火事で死んだといわれている。遺体は黒焦げで、当時のDNA技術では鑑定できなかったけど、歯型の記録が一致したらしい。

8.3ヵ月ほどして、ヘイワード先生が急に閉業。バーモント州のミドルベリーに移った>
その後、妻アイリーンと26年の結婚生活を解消。同時に、高校を卒業した長女ドナは町を離れてニューヨークに。アイリーンは、次女ハリエットと3女ガーステンを一人で育てた。
「The Return」でヘイワード先生が髭面の世捨て人みたいになっていたのは、これが原因だった模様。

9.アイリーンには毎月7500ドルの収入があった
それはヘイワード先生が町を離れてから、2009年にアイリーンが肺炎で亡くなるまで続けられた。
どうもベン・ホーンがトップのホーン基金(財団?foundationとある)からのものらしい。しかしホーン側は否定している。


タミーは結局のところ、あの日ヘイワード家で何が起こったのか、真実を知ることはなかったようだ。あんなに温厚で人びとに愛されたヘイワード先生が激高したのは衝撃的だったけど、それがなかったことになっていて、さらにびっくり。おそらくベン・ホーンとの協議があったのだろうけど、ヘイワード家の崩壊の原因を作ったベンは、いまだグレート・ノーザン・ホテルのオーナーとしてツインピークスにいる……。妻シルヴィアとは別居し、弟ジェリーはヤク中となり、一人ぼっちになって何を思うのだろう?

ヘイワード家3姉妹のうち、ハリエットは一家離散の悪影響が一番小さかったらしい。高校卒業後はワシントン大学に進学し、小児科医としてシアトル郊外にいる。ドナとガーステンについては、次のファイルで触れられている。

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