『ツインピークス:ファイナル・ドシエ』ナナメ読み(序)
今年10月末、マーク・フロストによる小説『ツインピークス:ファイナル・ドシエ(final dossier)』が刊行された。ちょうど一年前に刊行された『シークレット・ヒストリー』の続編で、アメリカですでに放映が終了している第3シーズンを受けての内容のようだ。
前作同様、英語の勉強になるかと思い、Kindle版を購入してみた。前作の日本語版が出たのは今年の7月だったので、少しはあいだが開くだろうと思いきや、今年12月に発売されるとのアナウンス。悔しい。それまでに読めるだけ読んでやろう。そしてその読書メモをブログに書いてやろうと思う。
・逐語訳はしない。
・ざっくりとした内容を把握するのみ。
・英語力不足により、読めなかったり誤訳があるかもしれない。
みたいな感じで進めていこうと思う。
その前に、前作『ツインピークス:シークレット・ヒストリー』のおさらいをしておこう。
前回の『ツインピークス:シークレット・ヒストリー』は:
FBI特別捜査官タマラ・”タミー”・プレストンは、ゴードン・コールの司令を受け、ある人物(Archivist)が収集した「一連の事件」に関連すると思われる大量の文書類の内容の裏取りと、その人物を特定することになった。
Archivistが収集し、コメントを付け加えた文書類は、19世紀初頭のルイス・クラーク探検隊の日記にはじまり(フクロウの洞窟やあの指輪がすでに登場する)、20世紀に入ってツインピークスの歴史がつまびらかになるかと思いきや、戦後の未確認飛行物体の落下事件や目撃譚にスライドしていく。
その影で暗躍するのはダグラス・ミルフォード。旧シリーズに1話だけ登場した、ツインピークス市長のドゥエインの弟だ。あっさり腹上死してしまった彼が、裏で地球外生命体に関する調査をしていたとは、驚くべき後付け設定もとい隠された素顔である。
ツインピークスの住民も、ローラ殺害事件はもちろん、丸太おばさんやカール・ロッドが子どものころに失踪した時の新聞記事やカルテ、エドとノーマの恋愛問題を情感たっぷりに描写するホークの手記、クーパーによるジョシーの調査ファイル、ダブルアールのメニューなどなど、多数言及される。
新シリーズにつながるものとしては、ハリーの兄フランクの存在やオードリーの生存(そしてピートの死)、ジャコビー先生の医師免許停止ぐらいだろうか。
終盤になって、Archivistの正体がガーランド・ブリックス少佐であり、ダグラス・ミルフォードの任務を引き継いでいたことが明らかになる。文書は、旧シリーズの終了後、少佐が失踪する直前の1989年3月28日で止まっている。
文書類の一部は手書きやハンドアウトなどをスキャンしたものが掲載されていて、アーカイブを読んでいる感たっぷりなのだが、Kindleの辞書機能が使えないばかりか、そもそもアルファベットから判読しなければならず、途方に暮れることもあった。非常に凝ったデザインは日本語版でも活かされているので、手にとってみてほしい。
こんな感じだったかと。
それでは次からぼちぼち始めていきます(最後まで読めますように…)。
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