甘いANTAの不思議
ANATAKIKOUのセカンドアルバム、『Gradation’12』。セカンドアルバムといっても、すでに廃盤になったインディーズ時代の音源の新録音やリマスタリングに、新曲を一曲加えたものです。
最近になって、「リリー」を昔タワレコで試聴したことがあったのを思い出しました。当時、高校の同級生が劇に出演するというので観に行ったら、その役がなんと「おかまのリリー」。そして、ANATAKIKOUという変わった名前のバンドのシングルも『リリー』。しかもおかまのうた。
妙なシンクロニシティを感じて視聴したものの、結局買わずじまいで、彼らの名前もすっかり忘れていました。そして数年後、某有名ネットラジオで再び彼らの音楽を聴いたのです。
自分のアンテナ感度の悪さを呪いたい気分ですが、音楽との出会いって「縁」みたいなもので、たとえいい曲だとしても、自分にその曲を聴ける土壌がないと駄目なんだろうなと思います。
さて、その「リリー」、インディーズ版は情緒があって、少し滑稽なイメージを抱いていたのですが、新録版はPVの映像もあいまって悲しい歌に聴こえます。もしかしておかまのリリーを偲ぶ歌だったのでしょうか。いい歌ですが、寂しさも感じます。
「アーチ越えて」も新録音です(正式には「アーチ、越えて」なんでしょうか)。インディーズ版の、はじまりは淡々と、そして途中でぐわっと盛り上がるところが好きだったりもしたのですが、新録版もなかなかいいです。新しく付け加えられた歌詞で切なさ倍増です。
「五つの夜まで」「モネラ氏の庭園」「甘い種の不思議」、そして新曲の「それは秘密」は、今回初めて聴きました。
「モネラ氏の庭園」、とらえどころのない不思議な曲ですね。どういうテンションで歌ってるんだろこの人、という感じ。
そのほかの曲は、リマスタリングされたりリミックスされたりしているのですが、インディーズ版と大きく差はないような気がします。「黄色い道」「うろこのない魚」「カリントボンボン」は、かろうじて音の聴こえ方が違うというのがわかるのですが。
どうでもいいことなのですが、このアルバム、iTunesのCDDBだと「ANTAKIKOU」って登録されていました。アンタキコウ。トルコの地名みたい(それはアンタキヤ)。しかも「アーチ越えて」が「アーチを越えて」になってるし。修正して送信しておきましたが、他の人が見たらちゃんと修正したものが表示されるのでしょうか。
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