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2004.10.29

映画館に行く(アレキサンドリア)

ラシード氏の店を手伝っているのはラシード氏の甥っ子とその友達だった。甥っ子は英語が話せなかったのであまりコミュニケーションできなかったが、彼の友達のイスラームと特に親しくなった。イスラームというのは本名なのだが、とてもストレートな名前だと思った。人名としては珍しいのではないだろうか。彼は僕と同じ年齢で大学生だった。今は夏休みなのでラシード氏の店を手伝っているという。僕が見る限り、彼がいちばんよく働いていたと思う。カバンが売れているのは見なかったが。

お店にはだいたい夕方ごろから手伝いに行くらしく、昼は時間が空いているというので、僕はイスラームと映画を観に行く約束をした。

そして次の日。
昼12時に僕のホテルまで来てくれるというので、ホテルの入り口で待っていたのだが、一向に来る気配はなかった。道に迷っているのだろうか。手持ちぶさたなので、あたりをぶらぶらしてみる。空は快晴。さわやかな風。こんなところにとどまってないで早くどこかに出かけたい気分だ。

一時間ほど経って、彼はようやくやってきた。特に悪びれた様子もない。エジプト人、時間にルーズだなと思った。まあ、すっぽかされるよりマシだからいいか。

映画館に行く途中で、イスラームにサトウキビのジュースをおごってもらった。少しぬるいが、甘くておいしかった。

エジプトの映画館の座席は指定席で、座席の場所によって値段が異なる。ちょうど真ん中ぐらいの席で8ポンド(約240円)だった。規模は、日本のミニシアター程度か。昼に行ったからなのか、空席が目立った。夜になると、映画館の前は上映を待つ人で混雑するというのに。

映画のタイトルは忘れてしまったが、エジプト人の主人公がオランダのアムステルダムへと移住し、苦労しながらも仕事に成功して、金髪美女と結ばれるというストーリーだった。エジプト人はこういったサクセスストーリーが好みなのだろうか。主役の男性はお世辞にも二枚目とはいえないのだが、エジプトで大人気の男優らしい。名前はムハンマド・ヘネーディーだったか。英語の字幕などはなかったが、軽快なノリとわかりやすいストーリーで、台詞の意味がわからなくてもそれほど苦痛ではなかった。突然登場人物が踊りだすシーンは、インドのマサラ・ムービーを少し思い出した。あれほど派手ではなかったけど。

しかし…。
寝た。

気づくとうつらうつらしてしまった。「疲れてるの?」とイスラームに聞かれてしまう始末。スークに遊びに行くようになってからは寝るのが遅くなっているから、確かに寝不足かもしれない。

2004.10.24

FBHL in Korea

韓国の音楽オンライショップを見る機会があったので、そういえばキリンジの『For Beautiful Human Life』も韓国でCDが出るっていってたなと思って検索してみたのですが。

Kirinji / For Beautiful Human Life (Korean Special Edition)

韓国盤『For Beautiful Human Life』は、日本盤の曲目に加えて「エイリアンズ」など4曲ボーナストラックが追加されているのですが、「えっ!?」と思ったのは11,500ウォンという価格。11,500ウォンって、日本円に換算すると約1,080円になります。韓国ではアルバムが1000円弱で買えてしまうのですね。

他の邦楽のアルバムもこの価格のようです。空気公団やらキップソーンやらピチカート(ソニーからですが)まで出ていますね。

韓国は日本よりも物価が少し安いと聞きますが、こうありありと価格の差を見せつけられると、日本の音楽CDってやっぱり高いのだなあと思ってしまいます。韓国までとはいわないけど、あと500円から1000円ぐらいは安くならないのかなあ。

2004.10.22

チョコレートのモスク

甘いモスクはいかが?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041018-02104725-jijp-int.view-001

某サイトで見かけたヤフーニュース(時事通信)の写真記事。モスクを模した巨大なチョコレートケーキらしい。ラマダン(断食月)明けに食べるのだろうか。

インドネシアのことはあまり知らないけど、エジプトのチョコレートやケーキは強烈に甘かった。でも「何か」が足りない感じがした。イスラームは酒を禁じているので、隠し味に洋酒を入れられないからと聞いたことがあるが、そのせいなのだろうか。
とかいいつつ何回も食べていたのだけど。あの甘さは癖になる。

あと、モスクを「イスラム礼拝所」と注釈をつけているのが目を引いた。こちらのほうが「イスラム寺院」に比べてより「モスク」に近い気がする。

2004.10.20

スークにて(アレキサンドリア)

僕の寄る場所、それはスーク(suq)だ。
スークとは「市場」のことである。スークとひとえにいっても扱う商品や開かれる場所・時期などによってさまざまなバリエーションがあるのだが、僕が立ち寄ったスークは、カバンや台所用品、日用雑貨、本などが売られていた。壁に囲まれた広場の中で開かれており、店舗というよりは露店といった感じだ。聞いてみると、夏休みの間だけ開かれるスークらしい。だいたい夕方ごろから夜1時近くまで開いており、深夜になっても賑わいをみせていた。やはりこの国の人々は夜更かし大好きだ。日中が暑いせいなのだろうか。

ぶらぶらと町を散策していたときに偶然通りかかったのだが、そこで出会ったカバン屋の主人と、お店を手伝っている僕と同じ年ぐらいの青年たちと親しくなった。主人のラシード氏は、真面目だが気のいい人で、毎晩遊びに来る僕を嫌な顔ひとつせずに歓迎してくれた。「晩ごはんが食べられるから毎日来てるんだろう?」などと冗談なのか本気なのかわからないことを言われたりしたのだが、実際晩ごはん目当てで行っていた部分もあったりした。もちろん仕事中に食べるのだからごちそうというわけではないが、マカロナ(のびにのびたマカロニにトマトソースがかかったもの)や、エビが入っているピラフのようなものがとてもおいしかった。

お店に置かれているかばんは、品質はやはり日本で売られているもののほうが良いようだが(ラシード氏は僕のリュックサックをいじりまくっていた)、旅行用のボストンバッグやリュックサック、ウェストポーチなどさまざまな種類がそろっていた。材質もナイロンや革製のものもあった。僕がいたときは、客はそれなりに来ていると思ったけど、残念ながら売れているところは見たことがなかった。ラシード氏は自分の工場をもっていると言っていたのだが、今思えば見学させてもらえばよかったと少し後悔している。

2004.10.19

秋の注目番組

秋からの新番組で、個人的に注目している番組はNHK教育『アラビア語講座』とテレビ東京系『怪奇大家族』。

『アラビア語講座』は以前にちょっと触れたけど、講師に師岡カリーマさん、落語家の柳家花緑さんなどが出演されている。テキストまで買ってやる気満々である。しかしそれ以上に毎週ちょっとずつ朗読される『千夜一夜物語』の続きが気になって仕方がない。ラジオ放映も聞きたいけど、いつも放映時間を忘れてしまう。ラジオって高校ぐらいまで熱心に聞いてたんだけど、最近は全然聞かなくなってしまった。

びっくりしたのはオープニングテーマ「アラビヤの唄」。初めて聴いたのだけど、二村定一・天野喜久代という人物によって昭和初期に歌われたものらしい。アラブ音楽っぽいオープニングで始まるかと思ってたので意外だった。

『怪奇大家族』は、B級臭さ炸裂のホラーコメディである。その割に『呪怨』の清水祟氏が製作に関わったり監督したりするらしい。とりあえず観てもらったほうがここで書くよりわかってもらえるんだけど、放映局が少ないのがネックか。個人的には、二話で車に引かれて幽霊になった坊さんが今後どうなるのかが気になる。たぶんどうにもならなさそう。

2004.10.17

アレキサンドリア観光

結局、アレキサンドリアには4日ほど滞在した。それほど書くこともないので簡単に記すだけにしておく。

<行ったところ>
グレコ・ローマン博物館
グレコ・ローマン時代の発掘品が中心に展示されている。なんとなくギリシャの彫刻を思わせる石像などがあった。観ている途中でとても眠くなってしまい、閉館近くまでベンチで居眠りしてしまった。記念撮影コーナーがあるようで、子どもたちがファラオニックな格好をしてうろつきまわっているのを見かけた。

モンタザ宮殿
アレキサンドリア市街から東に位置する。19世紀ごろのかつての王家の別荘だったらしい。庭園や高級ホテルなどもある。バスなどでも行けるが、僕は列車に乗って出かけた。鈍行列車は非常に時間がかかるのでバスで行ったほうがいいかもしれない。遊泳場があるので泳ぎたくて行ったのだが、人が多すぎて泳ぐ気になれなかった。荷物が心配だし。さらに東のアブー・イール(Abu Qiir)という町は海産物が有名で、ウニがキロ単位で安く食べられるらしい。が、あたることもあるらしい。僕はウニが好きではないので行かなかった。

アンフォーシ墳墓群
紀元前の墳墓群だそうだが、観光客は僕だけしかいなかった。あんまり覚えていない。


街の交通機関としては、タクシーやバスに加え、馬車や路面電車などもある。馬車は、ユースホステルを探すときに一度だけ乗ったことがある。湾岸道を、心地よい風が流れるぐらいのスピードで走ったため非常に気分が良かったのだけど、馬車の乗り手も場所を実は知らなくて全然関係のないところで降ろされてしまった。結局ユースホステルは見つからなかった。路面電車は、今となってはあまり覚えていないが、二車両ぐらいしかなく、座席が硬かった。市内観光には便利そうだった。

他にも見どころもいろいろあるのだが、それよりも僕には寄る場所があった。

2004.10.10

デリー空港

インドとネパールのこと忘れてました。

デリー空港に到着したのは夜の11時35分。そのままデリー市内には行かず、夜が明けるまで空港内で待つことにした。インドに何回も訪れ、ガンジス川で2回溺れたこともある友人Tさん(女性)によれば、空港からタクシーで街に向かっても、必ずといっていいほど目的地に着かないという。深夜に、よく知らない場所でうろうろするのは避けたかった。目的地に向かってくれないならなおさらだ。

さいわい、税関前にはベンチがたくさんあったので、そこに座って夜を明かすことにした。しかし、猫がうろついている税関ってどうなんだろう?

そういえば、インドビザ申請のためインド領事館に行ったときに、ちょうど同じ日にインド入りする人に会った。違う航空会社だったので到着時間も異なるのだけど、空港でまた会えるかと思ったら会えなかった。旅なんてそんなものか。

<フライトスケジュール>
6/1
13:10関空発 → 15:00韓国・インチョン空港着
19:25韓国発 → 23:35インド・デリー空港着

アシアナ航空を利用したのだが、客室乗務員の人も、空港でも、韓国人に間違えられまくった。四角い眼鏡のせいなのか。免税店をぶらぶらしていたが、ヨン様の等身大ポップがたくさん立っているのを見かけた。

韓国の空港で待ち、デリーの空港でも待つ。今思えば、インド旅行は待って待って待ちまくりだった。

スキャナを買う

ヨドバシのポイントカードが結構たまったので、MP3プレーヤーを買おうかと思ったのだけど(候補はコレコレ)、結局スキャナを買うことにしました。買ったのはキヤノン5200F。さすがにハイエンドモデルを買う余裕もなく。もっと安いものもあったのだけど、フィルムスキャン機能がどうしても欲しかったのでこれに決めました。

実は、2001年7月から約半年間のエジプト滞在のうち、最後の一ヶ月はトルコ、シリア、レバノンを旅行したのですが、その際に使用したフィルム(某大学教員にいただいたもの)がスライド用だったのを知らず、写真屋に出したら撮った写真の大半がちいさなカラーフィルムになって帰ってきてしまったのです。スライドを紙写真に現像するとコストもかなりかかるようで現像には出さず、時々カラーフィルムを光に透かして眺めていたのですが、フィルムスキャナ機能のついたスキャナが意外と安いことを知り購入に踏み切りました。

まだ全部スキャンしていませんが、これで2001年の半年間の滞在~旅行の写真もココログに載せることができるようになりました。当時のことをここで書くようになるにはいつのことになるやら。そのほかCDのジャケットをスキャンしたりして、うきうきデジタルライフにまた一歩近づいた感じです。

フィルムスキャナですが、認識されないフィルムがあったり、ちょっとズレたりすることがあるのが難点です。慣れたらサクサクいくのかもしれませんが。あとフィルムをセットするフィルムガイドが、ちょっと使いづらいというか、セットしづらいです。フィルムに傷や指紋がつきそうです(というかちょっとついた)。これも慣れでしょうけど。オートフィルムローダ(フィルムを差し込んだだけで自動的に読み込んでくれる便利な機械)がついているエプソンGT-F550のほうが良かったんだろうかと思ったけど、これもたぶんズレるときはズレそうだし、個人的にはフィルムスキャンをおこなう機会ってあまりないなだろうな、キヤノンの上位機種は一度にスキャンできる数が多いけど、多すぎるとフィルムがズレた時に修正するのがめんどくさそう、まあ所詮はエンドユーザーだしな、などとつらつらと考え、低下したテンションをなんとか立て直しました。

C30014.JPG

フィルムスキャンした一枚。2002年1月のトルコ・イスタンブル。カイロから飛行機でイスタンブルへ渡ったのですが、当時のイスタンブルは数年来の大雪で、カイロとの気温差に愕然としました。まともな防寒具も持っていなかったので、服を5、6枚重ね着して旅していました。久しぶりにトルコで撮った写真を見て、その寒さを思い出しました。

2004.10.07

大声とケチャ

愛読サイト『デイリーポータルZ』にて、BBフェスタ来場者によるケチャ(バリの民族音楽)が公開されています。この企画、「チャ!」といっているところをビデオに撮って、それを編集して全部つなげてケチャを作るというものでした。ケチャは、国立民族学博物館(通称みんぱく)でおこなわれたガムランの演奏公演の際に、演奏者の方々が即興でやっていたのを見たことがあります。

僕も7月に名古屋のBBフェスタに行ったときに参加したのですが、非常に緊張しました。撮影されるということもあるのですが、僕は「普通の大声」を出すのがとても苦手なのです。それは、高校時代にたしなみ程度に応援団をやっていたことに起因します(役職は特攻隊長でした)。応援団といえば喉を潰すほどの大きな声を出さなければならないのですが、どうもその癖がついてしまったようで、「普通の大声」をなかなか出せなくなってしまったのです。「ちゅうぐらいの大声」とでもいいますか。

などといった心の中の杞憂もあり、気の抜けた声を出しているんだろうなと思っていたのですが、音声は本物のケチャに差し替えられていたので安心しました。しかし見れば見るほどよくわからない企画です。

しかし、「顔オーバーラップ」では見つけられたのですが、ケチャでは僕の顔は確認できませんでした。友人のzoo-tv氏はばっちり確認しました。「顔オーバーラップ」は、参加者の顔のアップを、リコーダーよる「ドナドナ」をバックにオーバーラップするものですが、そこはかとない悪夢感が心地よかったり悪かったりします。

2004.10.01

地中海を眺める(アレキサンドリア)

Hotel Gamilは、宿泊料が少し高いということもあって一晩しか泊まらなかったのだが、支配人らしき親父をよく覚えている。彼は交通事故でムチ打ちにでもなったのか、首にギプスをしていた。朝になり、そろそろ朝食でもすませて外に出かけたいと思っていたのだが、彼はせせこましい部屋でまだ寝ていた。声をかけてみると、彼は目を覚まし、僕の方に手をのばした。ギプスのせいか起き上がるのも大変らしい。

朝食は?とたずねてみる。彼は小間使いの少年に買い物に出させた。今から買ってきて作るのんですか。
彼が出してくれたのは、フール(ソラ豆のスープ)とオムレツとサラダ、アエーシというパン、そしてシャイ*1)だった。男やもめの料理という感じだ。よく考えると彼が作ったのはオムレツとサラダだけだな。ちなみに彼は左利き(左手でペンを持っていた)だったのだが、僕がそのことをたずねても、「ノープロブレム」としか言わなかった。いまいち通じていなかったようだ。

外に出てみる。さわやかな風が吹き抜ける。日差しも、心なしかカイロより柔らかい気がする。アレキサンドリアは地中海沿岸に位置するので、カイロとは気候が異なるのだろう。このホテルに着いたときは深夜だったので気づかなかったが、海がすぐ近くにあった。地中海である。はじめて見る地中海に期待を膨らませながら近づいていく。

あれ……?
汚い…。
…。

海の色は暗く、濁っていた。ゴミもちらほら浮かんでいた。マリンブルーじゃないんだ、とがっかり。しかしそれは、アレキサンドリア市街が面するのが湾であったからであり、ちょっと遠出して岬の方に出れば地中海を眺めることができた。

アレキサンドリア市街から北西の岬には、カイト・ベイ(Fort Qait Bey)という15世紀の要塞がある。要塞の印象は薄かったが、海の色がきれいだったことを良く覚えている。

C30012.jpg
アレキサンドリアの湾と市街
市街は、弧を描いた湾に沿って北に向かうかたちで成り立っている。

C30013.JPG
カイト・ベイと地中海
上の写真と海の色の違いがわかってもらえるだろうか。そして海を眺めていたら隣に座ってきた少年。言葉は通じなかったがアラビア語の単語帳で指差しつつちょっと会話した。

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*1)シャイとは紅茶のことである。アラビア語ではお茶のことを「チャイ」ではなく「シャイ」という。正確な発音は「シャーイ」。エジプトでは、ストレートティーに砂糖をがっぽりいれたものが一般的。ダストティーを煮立たせるものもあるが、ティーパックもちらほら見かける。

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