僕はシーワでは何を食べていたのか。シーワ・オアシスでは、カイロなどとは食生活が少し異なる。と、それならカイロで何を食べていたのかを先に書くべきだが、タイミング的にこちらのほうがよい気がするので、書いてしまうことにする。もちろん貧乏旅行なので、安いものしか食べていない(というより食べられない)。
クスクス
シーワでは、モロッコやアルジェリアなどのマグリブ地域*1)の料理を食べることができる。そのひとつがクスクスである。クスクスはパスタの一種であるというが、形は細かい粒状で、一見パスタには見えない。僕が食べたものは、トマトベースのスープに煮込んだ野菜と肉、そしてクスクスが入っているものだった。メニューに「クスクス」と書いてあった割には、クスクスはそれほど入っていなかった。口に入れるとモサモサした食感。
シャクシューカ
こちらもマグリブの料理ということだが、現在では中東全体で食べられているらしい。トマトソースで煮込んだ野菜(肉もあったかも)に、卵を落としたもの。トマトの酸味がきつく、まるで胃液のようでもあり、吐き気をこらえながら完食した。この料理、日本のチュニジア料理店で食べたものとは具材がまったく違うので、かなりのバリエーションがあるようだ。
ヤキメシ
焼き飯である。なぜかスペルが「yakimashi」になっている店もあった。パサパサであんまりおいしくなかった覚えがある。また、カレーがメニューにあった記憶があるのだが、なんとなく頼まなかった。
その他
名物料理でも何でもないが、昼にはよくバナナ入りパンケーキを食べていた。フルーツ入りのパンケーキはほかにもあったのが、バナナ入りが一番安かったのだ*2)。栄養価も高いだろうし。
僕がバナナ・パンケーキを食べたその店。その店に入り、席に座ると、ひとりの男が注文を聞きにやってくる。男は細身で長身、色黒で口ひげを生やしており、そして無愛想だった。注文をすると、店の奥の、厨房らしき場所に入っていく。しばらくすると、蜂蜜がたっぷりかかったバナナ・パンケーキをお盆に乗せてやってくるのである。どうやらこの店は、あの男が一人で仕切っているようなのだ(少なくとも昼は)。あの男が無表情でパンケーキを焼いている姿を想像するとなんだかおかしかった。
単に無愛想な男なのかと思っていたが、知り合いが来ると、非常にこやかに応対しており、「もしかして旅行者嫌い?」などとも思った。
この店で飲んだカルカデも思い出深い。カルカデとは、乾燥させたハイビスカスの花を煮出したものである。そのままだと酸味がきつく、たいていは砂糖をガボガボ入れて飲む。僕はこのカルカデが大好きで、日本でも飲もうと大量に買って帰ったほどである。熱いままでも、冷やしてもおいしいが、僕は冷やしたカルカデをよく飲んだ。この店では、作り置きして冷蔵庫で冷やしてあるようで、頼むとすぐに出てきた。その冷たさと甘酸っぱくさっぱりした味が、日中、太陽の光と熱を浴びてあつーくなった身体を一気に冷やしてくれるようだった。
*1)magrib。アラビア語で「西」、「日の没する場所」の意。ここではモロッコ、アルジェリア、チュニジアなどの北西アフリカ諸国・地域を指す。
*2)うろ覚えであるが、3.5エジプトポンド(105円)だったと思う。1エジプトポンド=30円の計算である(1999年当時)。
Recent Comments